資金の壁・学力の壁を打ち破れ(あとがきより)
43歳で薬剤師として働きながら私立大学医学部に入学し、
医師になった著者が教える学費調達の指南書。私自身、社会人をしながら医学部受験をするというのは、道なき道を進んでいくようなものであった。
学力の壁と資金の壁が大きく立ちはだかっていたからだ。
本書では資金面での方策を中心に紹介した。
現在、私立医学部受験生にとって、私が医学部に入った頃よりも資金的なハードルがかなり低くなってきている。
ぜひ積極的に情報を収集して、夢を実現してほしいと思う。
「読書のススメ」第1回目著者インタビューのゲストは、40代で薬剤師から眼科医へのキャリアチェンジを見事果たされた、大﨑俊卓先生です。「高校生.com」の鬼英語コーチ☆サヤコとFPひさみんが、医療業界の裏話を色々お話を伺いました。
Part 1はこちらから。
まずは勉強方法を確立しよう!

タイムマシーンに乗って高校生の自分に会えるとしたら、どんなアドバイスをしますか?

とにかく勉強法を確立できていなかったことが、最大の反省点です。

うーん、なるほど。自分に合った勉強法が確立できているかいないかで、その後の人生が変わってしまいそうですものね。

高校生の自分自身や、今現役の高校生や受験生に助言したいことがふたつあります。1つ目は「勉強絶対量の確保」。2つ目は「復習の徹底」です。

確かに、この2つは非常に大切ですね!

「勉強絶対量の確保」というのは、モチベーションをどのようにして維持するかという問題です。これは受験生にとって、最大の懸案のひとつです。
個人的に知り得る方法の中で、この対策としてお勧めできるのは「時間割の作成」です。時間割を作ってみれば、自分が持っている時間がいかに少ないかが分かるはずです。
個人的に知り得る方法の中で、この対策としてお勧めできるのは「時間割の作成」です。時間割を作ってみれば、自分が持っている時間がいかに少ないかが分かるはずです。

時間割の活用ですか。それなら高校生でも十分可能ですね!

私は、50分勉強して10分休憩するスケジュールで勉強していました。この後50分は調子によって伸び縮みしていいですが、10分の休憩は必ず守らないといけません。

タイマーを活用すると良さそうですね。家で勉強していると、ネットやスマホなどの誘惑も多いですし。

ネットは受験勉強の宿敵です。その日の時間割が終わるまで、スマホでメールを見てはいけません。ノルマを終えたご褒美にしましょう。

スマホタイムも、あらかじめ時間割に入れておくと良いかもしれませんね。復習については、どんなことを気をつければ良いですか?

復習は極めて重要です。成績が上がらない最大の理由は、復習をしていないからです。どんな事項でも、最低5回復習しなければ得点化できません。下手に塾に行くより、授業の復習を徹底した方が効果的だと思います。

腹落ちするまで繰り返せということですね。テスト対策について何かアドバイスはありますか?

受けた試験は徹底的に復習して、次に同じ問題が出たら完答できるようにしておきましょう。それから授業が終わったら、授業内容を30秒で復習しましょう。それだけで全然違います。
進路選択に迷ったら

最後に、日本の高校生の皆さんにメッセージをお願いします。

せっかくの機会なので、進路選択について私の考えをお伝えしたいと思います。「数学が得意だから数学科に行く」「音楽が好きだから音大に行く」「英語を学びたいから英文科に行く」。このような理由で、進路選択をする人が多いですよね。

そうですね。家庭の事情などにもよりますが、よくあるパターンだと思います。

もちろんそのような要素も否定しませんが、それだけで進路を決めてもいいのでしょうか。「数学が得意だから数学科に行き数学の先生になる」というのなら別ですが、大学を卒業すれば自身で生活をしてゆかなければなりません。ですからお金の事も多少は考えておいて欲しいのです。

もっと長期的な観点から、進路を選ぶべきだというわけですね。

その通りです。その人がその分野の天才でない限り、私は「とりあえず専門職に就いておく」という進路をお勧めしています。というのも、私が43歳にて進路変更することができたのも、薬剤師になっていたからです。

専門的な資格、知識、そして経験があれば、万が一新しい分野でうまくいかなくても戻ってくれるというわけですね。

そうです。薬学部で先輩だった女性は、50歳になってから数年間ポルトガルに住み、帰国後は移住前と同じ待遇で前の職場に復帰しました。専門職に就いておくと、人生の幅が広がるのです。
また専門職に就くということは、経済的基盤を持つということです。特に女性は、色々な人生の変化に対応しなければならないことがあります。なので専門職は、女性に向く職業だと思います。
また専門職に就くということは、経済的基盤を持つということです。特に女性は、色々な人生の変化に対応しなければならないことがあります。なので専門職は、女性に向く職業だと思います。

「得意」「好き」だけではなく、経済的自立も踏まえて進路を選べということですね。

はい。実際私の知り合いにも、国立薬学部に行くことができなかったために薬剤師の道をあきらめて、国立生命科学部に進学した方がいます。ところが卒業後は、専攻と全く関係のないIT企業に就職して数年で退職。現在は開業医の事務職員をしていて、私立薬学部に進学しなかったことを後悔しているそうです。当時の私立薬学部は4年制で、国立生命科学部の学費と大差なかったからです。

進路を選ぶ際の下調べが甘かったということですね・・・。確かに日本では、大学の専攻と就職先が全く関係のないケースをよく見かけます。

医療系専門職はよほどひどい人でない限り(笑)、誰でも喰っていくことができます。それ以外の分野の専門職に比べても経済基盤が築きやすいので、「お金がかかりそう」と最初からあきらめないで選択肢に入れることをお勧めします。

資金面の情報に関しては、先生の著書「お金がなくても私立大学医学部に入る方法」を読めばバッチリですね(笑)

はい、是非お読みください(笑)

大﨑先生、本日は色々と貴重なご意見をお聞かせ頂き、本当にありがとうございました!

こちらこそ、ありがとうございました。
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