登場人物

CPAみゆき

公認会計士(CPA)、大手監査法人勤務後、独立し個人会計事務所を経営。高校生と中学生男子の二児の母

としお

県立高校一年生。ゲームと動画観賞が趣味。将来は漠然とゲーム関係の仕事に進みたいと考えている。

Lesson8はこちら

生活に必要なお金について考えてみよう

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CPAみゆき
としおくん、こんにちは。
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としお
こんにちは。
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CPAみゆき
今回は前回に引き続き、マネープランを作っていこうと思います。
収入はひととおり出来たから、今日は支出を作りましょう。

では、最初に質問。
生活するために必要な費用を、思いつく限り挙げてみて。
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としお
何歳ぐらいを前提に考えていればいいでしょうか?
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CPAみゆき
そうね、まずは社会人になってからを前提に考えてみましょう。
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としお
まずは家賃、食費、水道光熱費。
あと、自分の趣味のお金や勉強への投資の費用とか。
これなんていう費用なんですっけ?
実は中学校の家庭科で、生活にどんなお金がかかるかという授業があって、その時にでてきたんだけど、忘れてしまいました。
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CPAみゆき
そうね、一般的には、教養娯楽費というような費目を使うことがあるわね。他には何かあるかな。
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としお
友達との交際費とか、スマホ代とか、洋服代とか。
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CPAみゆき
ほかには?
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としお
うーん、そうだ!
標準的にかかるお金、インターネットにのってないか探してみよう。
  •          としお、インターネットで検索
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としお
他には、日用品費、医療費・保険料、車両費っていうのがありました。
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CPAみゆき
そうね、車両費は車を持つかどうかで変わってくるけど。
以前長野で暮らしたいという話をしていたけど、社会人になって、長野で働くのか、それとも東京や大阪など、都会で働くのかによって全然変わってくるよね。
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としお
うーん、長野で働けるかわからないけど、長野で暮らすっていう前提で考えてみようと思います。
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CPAみゆき
じゃあ、車を持つっていう前提で考えた方がよさそうね。
長野は、東京や大阪と違って、車がないと生活するのには不便だから。

一年間の予算を立ててみよう

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CPAみゆき
じゃあ今度は、それぞれにかかる金額について考えてみましょう。
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としお
うーん、わからないけど、収入と同じように、標準的な生活費の金額みたいなのがあるんじゃないんですか?
どれくらいお金がかかるのか想像もつかないです。
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CPAみゆき
そうね、ちょっと調べてみましょう。
あ、こんな調査があった。
Roochっていう不動産の会社が運営しているサイトがあって、そこのアンケート調査によると、男性で月184,500円だそうよ。
関東地方で一人暮らしをしている300名(10~30代)の独自アンケート調査の結果なんですって。

内訳は次のとおり。
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CPAみゆき
あと、就職後初めて一人暮らしをするとなると、敷金や礼金、引っ越し費用、家具や電化製品も必要になるわね。
このRoochっていうサイトによると、それらの費用全部で約50万円が必要となっているわ。
これらを一度エクセルシートに入力してみましょう。
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CPAみゆき
全部で289万8500円か。
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としお
みゆき先生、こないだのマネープランで考えた収入はいくらでしたっけ。
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CPAみゆき
大卒初年度で200万円よ。
これは天引き貯蓄を差引後の金額だけど。
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としお
え、89万8500円も超過してますね。
もっと節約しないと。
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CPAみゆき
そうね。
この調査は関東地方に住んでいる人のアンケートなので、長野県だともう少し家賃は低いと考えてもいいかもしれないわ。
家賃相場を見てみましょう。

市によっても違ってくるけど、1Kだと4万5千円くらいでありそうよ。
それに、通信費が10,800円となっているけど、格安SIMを使えば、家にWifiを引いても8,000円くらいで大丈夫だと思うわ。
あと、ほかに削れそうなところはない?
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としお
うーん、削るとすると交際費かなあ。1万円にします。
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CPAみゆき
じゃあ、次に、一人暮らしに必要な50万円の費用だけど、Roochによると、賃貸契約の初期費用で約30万円、引越費用で5万円、家電、家具で15万円となっているわ。
賃貸契約の初期費用は、家賃の4.5か月~5か月分が相場ということだから、家賃が4.5万円で5か月分とすると、約23万円ね。
次に引越費用だけど、荷物が少なければご両親に手伝ってもらえば、考えなくてもいいかもしれないわ。
家電製品なども、家にあるものをなるべく持っていくことにして。
がんばって節約すれば、全部で30万円ほどに抑えられるかもしれないわね。
ちょっと入力してみて。
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としお
224万3500円になりました。
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CPAみゆき
この一人暮らしのための費用だけど、最初1年目にだけかかってくる費用だし、最初はそもそもそれほどお金がないのが普通なので、ご両親から借りるってことにしましょうか。
少し貯金ができれば返すってことで。
親戚などから就職祝いももらえるかもしれないし。
足りない約25万円は、臨時収入があるということにしましょう。
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としお
ははは。もらえるといいけど。
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CPAみゆき
なんとかここまで来たけど、これで終わりじゃないよね。

肝心の車両費は、どうする?
車を持つにはお金が全然足りないわね。
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としお
車を持つのにどのくらいお金がかかるんですか?
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CPAみゆき
まず、車両代で中古を買うとしても、数十万円必要よ。
税金も含め、70万円~80万円ってとこかしら。

毎月のガソリン代、駐車場代で、どれくらい乗るかにもよるけど、1万円くらいかしら。
それに加え、保険料が年間約5万円、毎年払わないといけない税金が約3万円。。。

車両代以外に、年間20万円は必要ね。
あと、2年に一度は車検を受けないといけないから、車検費用が約10万円、長野県は雪が多いから、冬の間は冬用のタイヤも必要で、タイヤ代にタイヤ取付け、取外しの料金などもろもろのお金がかかるわ。
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としお
え、それ、全然無理じゃ。。。
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CPAみゆき
うーん、どうしてもということだったら、天引き貯蓄を少し減らすっていう手もあるけど。
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としお
いや、それは将来必要なお金だから、ちゃんと残しておこうと思います。
僕、車はなくてもいいです。
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CPAみゆき
うーん、そうね。
会社に近いところに住めば、自転車さえあれば何とかなるかも。
働いて数年して貯金ができてから考えてもいいかもしれないわね。
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としお
そうします。

長期予算を立ててみよう

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CPAみゆき
では次に長期の予算を立ててみようと思います。

コツは、年収が上がっても、生活レベルを上げないこと。
そうすると、収入が上がった分、貯蓄が増えていくから。

じゃあ、1年間の予算を、このあいだ作ったマネープランシートに入力してみて。
23歳から29歳までは、生活費は同じ金額にして。
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としお
わかりました。
入力してみました。
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CPAみゆき
貯蓄も少しずつ増えていくし、なかなかいい感じね。
なんとか行けそうね。

問題は30代。
30歳で結婚するっていう想定だったけど。
まずは結婚費用が必要になるわね。
仮に50万円として。
それと、奥さんは収入はないものとして考えよう、っていうことだったけど、1DKだとちょっと狭いから少し広いところに引っ越すとして、食費や水道光熱費などの生活費は倍にはならないとしても、かなり増えることになるわ。
仮に、全部1.5倍にしてみましょうか。

次に、33歳で第一子誕生。
ベビー用品や出産費用を20万円としておきましょう。
生活費はこれまでの1.7倍に見込みましょう。

35歳、第二子誕生。
同じく、一時費用を20万円で見込んで。
生活費は1.8倍に見込みましょう。

次に考えないといけないのは子供たちの教育費ね。
ほら、としおくんも塾やお稽古に行ってたんじゃない?
大学の学費も結構かかるし。
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としお
・・・・
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CPAみゆき
あれ、としおくん、としおくん、聞いてる??
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としお
あー、結婚のあたりから意識が遠のいてました。
すっごくお金がかかりそう、ってことがわかりました。
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CPAみゆき
そうね。
さすがに、まだ大学生にもなっていないのに、自分の子供の教育費って言われてもね(笑)
今日はこの辺までにしておきましょう。
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としお
(内心 ほっ)
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CPAみゆき
じゃあ、またいつかこの続きをやりましょう。
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としお
(内心 えー、まだやるんですか・・)
わかりました。
でも、今日は一人暮らしのイメージができて楽しかったです。
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CPAみゆき
そうね。なんとか一人暮らしもできそうね。
これからもぜひ自分でマネープラン、いろいろシミュレーションしてみてね。

保護者の方へ

お子さんとライフプランやマネープランについてお話されたことはあるでしょうか。

今回は、私自身初めて、高校三年生の長男から将来の希望を聞きながら、一緒にマネープランを作成してみました。

収入の一部を天引きで貯蓄し、若いうちから積立てることで大きな利息が生まれること、将来を見通して計画的にお金を使っていかないといけないことが、マネープラン作成を通じてよく理解できたようです。

ぜひお子さんと一緒に、1年間の予算を立てたり、長期のマネープランを作成してみてください。

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