登場人物
CPAみゆき

としお

Lesson3はこちら
税金って何に使われてる?





税金って何に使われてると思う?

道路とかトンネルとか作るのに使ってると思います。

あと、いわゆる箱モノと言われる公共施設などもそうね。
他には?


高齢者の介護サービスとかにも使われてるよね。
年金は正確に言うと、現役世代の給料などから差し引かれて払われてるんだけど、足りない部分は税金で補填されてるからそのとおりと言えます。
そのような高齢者などへのサービスの費用を社会保障費って言います。
道路や箱モノは一つ一つの金額がとても高いので一番多く使われているように思ってしまうけど、今日本で一番多く税金を使っているのは社会保障費なの。
65歳以上の人を高齢者と呼ぶんだけど、日本の高齢者の割合はどのくらいだと思う?


2019年の調査で、28.4%だったの。
ということは、4人に1人以上が高齢者。
なんとこの割合は世界一なの。


それでね、 この高齢者の割合はまだまだ増えると見込まれてるの。
というのは、少子化って聞いたことあるよね。
子供の生まれる数がどんどん減っているのに加えて、医療が発達して長寿命化が進んでいるから、 高齢者の割合がどんどん増えていくの。
それ自体は悪いことじゃないんだけど、としおくんたち若い世代にとっては、これからとっても大変な時代になっていくの。


税金を払う人がどんどん少なくなるのに、 高齢者が増えていくと、働く世代が支えないといけない高齢者が多くなるということだから、働く世代の税金だったり社会保険料の負担が今より増えていくことが予想されるの。
今から50年前、働く世代1人に対し高齢者は0.3人だったけど、今はそれが0.7人。
としおくんがちょうど働き盛りの40代の頃には、働く世代1人に対し高齢者が1人。
1人が1人の高齢者を支えていかないといけない時代になっていくの。


話を戻して。
税金は他に何に使われてるかな?
特に国にしかできないものって何でしょう?


貿易自体は民間の会社がするものだけど、貿易の前提条件などは国と国との間で決めたりするから、 そのとおり。
他には?




これは国にしかできないよね。
ほかには、文化や経済、科学の振興など色んな所に税金が使われているの。
あと、地方自治体も税金を使って色んなサービスをしてるんだけど、例えばどんなものがあると思う?


まさにとしおくんが行ってる県立高校は、県が行っているサービスだよね。
他に何か思いつくものある?


住民票やマイナンバーカードの発行の手続きもそうね。
自治体はとても身近なサービスを提供してくれてるの。
他には、市町村であれば水道や下水だったり、ゴミの収集だったり。都道府県であれば警察もそうね。
税金はどうやって集める?

今日最初に、これまでの復習で、個人が払う税金と会社が払う税金があるって言う話をしたよね。
じゃあ、さらに復習。
個人が払う税金にはどんなものがあるでしょう?


個人が儲けたお金、サラリーマンだったら給料から自治体に払うのが住民税。
ではその儲けたお金や給料から国に払うのは?


よく覚えてたね。
あと個人が払う税金としては、自動車を持っている場合に払う自動車税とか、固定資産を持っている場合に支払う固定資産税とか、相続をした場合に支払う相続税などがあります。
自動車税や固定資産税は地方自治体に、相続税は国に払うの。
それと、個人が払う税金として、他にもすっごく大きいのがあるんだけど。


消費税は直接国や自治体に払うのではなく、物を買った時に含まれていて、会社が国と自治体に収めることになっているの。
所得税や住民税のように直接支払うものを直接税、消費税のように、会社を通じて間接的に支払うものを間接税っていうの。
間接税には他にとっても有名なものがあるんだけど、何かわかるかな?


CPAみゆきはタバコを吸わないのであまり詳しくはないんだけど、タバコは今1箱500円くらいかな。
500円のうち、税金はだいたい何割ぐらいだと思う?



タバコを吸うつもりはもともとなかったけど、そんなに税金払ってると思うと、あまり吸いたくなくなりますね。

実は昨年、公認会計士協会の研修でシンガポールに行かせてもらったんだけど、シンガポールではお酒やタバコを抑制するために、税金の割合が日本よりもさらに高いの。
物価が高いこともあるけど、タバコは一箱1000円ぐらい、 ビールも、レストランなどで頼むと一杯1000円ぐらいだったわ。
向こうの大学生の人たちとお話ししたんだけど、お酒は高いから全然飲まないって言ってたわ。
シンガポールは、タバコの税率が高い上、タバコのポイ捨てをすると罰金を取られることでも有名で、それもあるからタバコを吸う人も少ないんじゃないかな。

初めて知りました。
個人の税金を安くするには

大卒のサラリーマンの生涯賃金は約3億2千万円で、所得税と住民税で約4千万円ほどと言われているの。

家が買えそう!

実は、税金って工夫次第で節約することもできるの。
これを節税って言うんだけど。
節税方法を知っているか知らないかで、 一生のうち払う税金の額が大きく変わってしまう場合があるの。
なので、この節税方法についても、今後お話ししていきたいと思います。




これは、高所得者の収入を低所得者に分配しようという国の方針によるもので、もちろん悪いことではないんだけどね。

日本では、高所得者の税率はとても高いけど、税率をとても低く抑えて高所得者を呼び込もうとしている国もあるの。
代表的なのは、さっきも出てきたシンガポール。
シンガポールでは高所得者を呼び込むために 法人税も住民税もとても低い税率にしているの。
住民税率は最高で21%だから、もし年収何億円、なんてことになったら、シンガポールに住むのもいいかもしれないよ。




(英語ゲームアプリ開発のミーティングはこちら)
一緒にミーティングした英語コーチのサヤコ先生は、 オーストラリアで20年も働いていたのよ。


あとここだけの話だけど、サヤコ先生って、プロフィールには鬼コーチサヤコ、って書いてあるじゃない?
仕事の鬼なの、ああ見えて。
ミーティングに参加してると、 だんだんわかってくると思うけど。
サヤコ先生にはこれ内緒ね。

はい、ではまたサヤコ先生に会った時に、海外で働いてどうだったか聞いてみたいと思います。
まとめ
・国や地方自治体は、税金を使って公共サービスを提供している。
・道路や箱モノと言われる公共施設に使われているように感じるが、今一番多いのは社会保障費。日本の高齢化率は28.4%と、世界最高水準。
・税金はその他にも、防衛や外交、文化や経済、科学の振興など様々な所に使われている。
・国は防衛や外交といった国全体で行なっていく公共サービスを、地方自治体は住民票の発行や公立校の運営、ゴミの収集や警察など、より住民に近いサービスを行っている。・税金には個人や法人が国や地方自治体に直接支払う直接税と、消費税のように国や地方自治体に直接支払うわけではないが、会社などを通じて間接的に支払う間接税がある。
・個人が支払う直接税は所得税や住民税、相続税、固定資産税、自動車税など。
・所得税や住民税は個人の商売の儲けや給料から支払う。一生涯で払う所得税や住民税の金額は莫大。節税方法を知っているか知らないかで、一生で大きな差がつく。ぜひマスターしよう。
・日本の所得税は諸外国に比べて税率が高い。シンガポールなど政策的に高所得者の税率を下げて、高所得者を呼び込む国もある。
・日本は今後さらに少子高齢化が進む。日本の経済成長に大きな伸びは見込めないので、同じように働くのであれば、海外に目を向けるのも手。
保護者の方へ
ご家庭で税金についてお話されることはあるでしょうか。
生涯で払う税金は、生涯賃金の額にもよりますが、通常のサラリーマンで数千万円にもなると試算されます。
お金の使い道として税金は無視できない金額であり、生涯どのくらい税金を支払わないといけないかといったことや、節税方法をしっかり知っておく必要があります。
一方、公共サービスは暮らしていく上で必要不可欠なものです。
ぜひ、税金の必要性や負担についてお子さんとお話してみてください。
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