21世紀型の幸せ人生の学び方・育て方①ドリームキラーにならない

高校生の保護者の皆さんへ

・不確実な未来に向けた子育て

多感な年頃のお子さんを持つ皆さんにおかれましては、ただでさえ勉強や生活面での対応で手一杯なところに今回のようなコロナ騒ぎも加わり、日々どれだけの負荷を抱えて奮闘されてることか、本当に大変な日々とお察しします。

しかし、時は待ってくれません。春以降の高校への登校制限・授業日数減少、センター試験改革もまだ詳細は伝えられない中で、今年度(2021年春)大学入試の日程はどうやら変更はない模様(2020年7月現在)ですので、保護者としては、戸惑いながらもなんとか前に進んでいくしかない状態だと思います。

そして、コロナ防疫体制の中で、恐らく皆さんも気付いていらっしゃると思いますが、保護者の皆さんが高校生だった頃には想像もつかないような大きな社会的価値観の変化が起きています。特に日本の旧態依然の労働環境や慣行には、今回を機に大きな変革が起きる、あるいは変革に対応できない業界や業種は自然淘汰されるとされています。加えて、いま12歳の子どもたちが就職する頃には、いまは存在しない職業に就く可能性が6~7割にも上るとの予測も伝わっています。

そうした未来に向けて、皆さんはお子さんにどんな大人になってもらいたいのか、あるいは、どのような大人になればそんな未来世界で自分らしく幸せに生きていってくれるとお考えになりますか?

・人を育てる鉄則ードリームキラーにならない!

子育ては永遠の課題であり、終わりなき旅です。

私自身も、現在では社会人と大学生になっている子を二人育ててきまして、反省も山ほどある子育てを、細々ながらいまも続けておりまして、偉そうなことは何一つ申し上げられるものではございませんが、長く教育の仕事に関わり多くの人の成長を見てきたこともあって、ひとつだけ確信を持って言えることがあります。

それは、もし子どもの持っている力を伸ばしたいと思うのであれば、周りの身近な大人たちは「絶対にドリームキラーにならない」ことが、とても大事だということです。

ドリームキラーとは、以下のような「夢を壊してしまう言葉を吐く人」のことです。

「夢みたいなことを言って、できるわけない」

「そんなの無理に決まってる」

「できもしないことを言うな」

保護者だからこそ、子どもを大事に思うからこそ、つい言ってしまうこともあるでしょう。自分が言わないと世の中を甘く見過ぎてしまうのでは?下手したらこの子が道を誤るかもしれない、と思う方もあるかもしれません。

けれども、まさに「世の中は甘くない」ので、たとえ身近な大人が壊さなくても、いわゆる一般の、世間の大人がいくらでも夢を壊す言動を続けるのが現状です。

だからこそ、せめて身近にいる大人たちが、

「子ども自身が決めた夢を応援してやろう」という気持ちで、

「子どもがそれを口にするには、それだけの思いがあるからではないか」

と、一旦受け止めてみて頂けたらと思います。

・人が最も効果的に学べるのは「安心・安全な場」

なぜなら、人が最も効果的に深く学べる時というのは「安心・安全な場」であり、心身が安心できて安全だと感じられる場では、限りない可能性を芽吹かせることができる、とされているのです(ちなみにW大学大学院にて非常勤講師としてこのような講義を続けて今年で12年目になります)

今回、高校生COMでの連載をスタートするに当たり、高校生向けの初回記事として

「幸せ人生の学び方・育て方①大事にしたい3つの柱」

をアップしましたが、その内容を高校生自身に実践してもらうには、何よりも保護者の皆さんの「ドリームキラーにならない」接し方が重要であり、鍵を握っていると言っても過言ではありません。

保護者の皆さんが、心からお子さんの幸せを望むからこその苦言も多々あろうかと存じますが、どうか、お子さんの可能性を芽を摘むことなく、無限の可能性を共に拓いていくためにも、「ドリームキラーにならない」を御心にとめて頂けたらと存じます。

もちろん、そうは言っても、子育てのイバラの道は簡単なものではないのは百も承知です。ご質問などありましたら、こちらのコメント欄からお寄せください。できる範囲でお応えして参る所存です。

皆さんと同じ保護者の一人として、子どもたちがより豊かで幸せな人生を実現できるよう、私もご一緒して参りたいと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

永堀宏美 拝