はじめに

今高校生の皆さんには、これまで私たち大人も全く体験したことのない時代が待ち受けています。21世紀のインターネット時代は先が読めない、過去に百年単位で起きたような変革がわずか数年単位で起き得ると言われています。
そんな中で、社会への船出の時期を迎えた皆さんに、その荒波を乗り越えられる船を築き、その舵をしっかりと握って進んでいくために必要なことをお伝えしたいと思います。皆さんの船はどんな船で、どこへ向かい、何を積んでいくのが最善なのでしょうか。

「夢」に拘らなくて大丈夫

「夢を持とう」「なりたいものをゴールに決めて進もう」など、高校生の皆さんの「将来の夢」をまずは設定するように勧める記事や本が溢れています。
しかし同時に、「最初からそれが決まっていれば苦労しない」「なりたいものが分からない」という声もたくさん耳にします。
全く同感です。いま講演業や研修講師業を本業にしている私も、世の中にそんな仕事が存在するなんて大学院時代には全く知らなかったですし、まさか自分がそれを仕事のメインに据える日が来るなんて夢にも思っていませんでした。
夢は最初から一つだけ、なんて決めつける必要はなくて、何度でも変わっていいし、変えていいと思います。それに、先が読めない時代なら、いま決めたって仕方ない、全く予想もしない職業が10年後、20年後に現れることだってあるでしょう。
ですから、「いま一番好きなこと」をまずは取り敢えずの目標に設定してみて、それに向かって「未来に向かう練習」を続ければよいのではないでしょうか。

失敗を恐れないで

人生の船出を迎えた皆さんに、一番最初にお伝えしたいのは、失敗を恐れないで、ということです。これまでの学校生活の中で、出来るだけ失敗しないよう、恥をかかないように行動してきた人が多いと思います。けれども、まだ皆さんはわずか16年から18年間しか生きていないんです。初めて遭遇することが山ほどあるのに失敗しない方がおかしいでしょう。大人だって、皆さんの前では偉そうな顔をしているかもしれないけれど、実は日々失敗の連続です。それを周囲からは分からないように、隠したり見せなかったりしているだけです。
もし成功したかったら、夢を実現したいなら、望む人生を手に入れたいと思うなら、失敗することを恐れないでください。
若い皆さんなら、船は何度でも作り直せます。材料を変え、形を変え、色を変えて再び船出することができます。

失敗の先に成功がある

けれども、だからと言って、ただ闇雲に何も考えずに失敗だけ繰り返して良い、ということではありません。失敗には必ず理由があります。毎回それを検証しながら、次こそは成功するという気概で計画を練り直して行動を繰り返していくと、その先に皆さんの目指す成功が待っている、ということです。
PDCAという言葉を聞いたことはありますか?
Plan(計画),DO(実行), Check(検証・評価)、Action(改善して行動) のサイクルを回していく方法です。他にも様々な方法がありますので検索して、ご自身に合った方法を見つけてやってみましょう。その中で、成功に向かう皆さんの船は、どんな形で設計して、どんな装備で、どんな船荷を積み込んで、乗組員や仲間にはどんな人にすればよいか、考えてみて下さい。
 『成功は99%の失敗に支えられた1%だ』本田宗一郎氏の名言を皆さんに送ります。

決断力を磨こう:自分で決める練習をしよう

先が読みにくい時代では、「決断力」が非常に重要になってきます。激しい時代の変化の中では過去の経験に照らした判断材料を集めることが難しくなります。見たことも聞いたこともない、経験したこともない新しいものを前にして、皆さんの船の舵をどっちに切るべきか、人生を左右するような決断を迫られた時にどうやって決めたら良いのか、悩みますよね。チャンスを掴み、夢を実現するには苦渋の決断を下さなければならない局面も増えるでしょう。
この決断力を磨く方法は唯一つ、練習を重ねることです。
最初から上手くいくなんて、思わなくて大丈夫です。練習はそのためにあるのです。
私達は起きてから寝るまで、なんと3万5千回もの判断を繰り返しているそうですが、その無意識にも近い判断の回数を減らし、その分のエネルギーを「意識を集中させて決断する」ことに向けましょう。小さなことでもOKです。その小さな決断を重ねることが、決断力を高めるのに最も効果的とされています。
まだ高校生だからと、自分で決断できることまで親に任せきりになっていることはありませんか?面倒だからと決断を先延ばしにしたり、周囲の友達や先生に任せきりにして決断から逃げてしまうことはありませんか?
一度に全部を変えることは難しいかもしれませんが、今日から一つずつ、気付いたことから「自分で決断する」練習を重ねて行きましょう。それは、自分の人生の舵を取る練習へと繋がります。

結果に責任を持とう

自分で決断を下した後は、その結果も受け止めましょう。それがどのような結果だとしても、必ず次の決断のときに活かすことができます。そして、そのサイクルを回していくことで、失敗は皆さん自身の人生の糧となって、未来の成功へと導いてくれます。
望まない結果が出たときに、他人のせいにしたり、世の中のせいにしたりすることは簡単です。気持ちも楽になった気がするかもしれません。けれども、それは長期的に見れば決して前進ではなく、後退です。自分以外のせいにしている限り、成功への道は遠のくばかりです。
結果を受け止めることは、行動に対する責任を持つことでもあります。自分の船が傾いたり迷子になったりしたら、何が課題だったのか、次回はどう改善できるのか、など検証し、計画を練り直してまた実行してみましょう。

生き残るのは「自分の頭で考えられる人」

ネット上に溢れる情報の中で、何が正しくて何が偽物なのか、見分けるのは大変です。見せかけの知識に騙されず、自分にとっての正解を導き、望む人生を実現するには、自分の頭で考え、行動する習慣を身に付けることが最も重要になります。
高校生にもわかりやすく書かれた、社会派ブロガーのちきりんさんの本をご紹介します。ぜひ読んでみて下さい。皆さんの未来に向かう船にぜひ積んでいってもらいたい一冊です。
『自分のアタマで考えよう――知識にだまされない思考の技術』 Kindle版
ちきりん

最後に

さあ、皆さんの船に何を積んで行きたいですか?まずはどこを目指しますか?
ぜひ自分なりの海図を描いてみてください。違うと思ったらそのときに書き直せばよいのです。
最後に、皆さんの船出に名言を送ります。羅針盤になりますように♪

「私は私の航海術で世界中の海を旅して自分の目で見た『世界地図』をつくるの!!」
集英社ONE PIECE77話 ナミのセリフより

「20年後に失望するのは、やったことよりもやらなかったことだ。綱を解き、船を出し、帆で風を捕らえよ。探検し、夢を見て、発見するのだ」
(原文:Twenty years from now you will be more disappointed by the things you didn’t do than by the ones you did do. So throw off the bowlines, sail away from the safe harbor. Catch the trade winds in your sails. Explore. Dream. Discover.)
・マーク・トウェイン(アメリカの作家/ 1835~1910)『トム・ソーヤーの冒険』を始め、数多くの小説やエッセーを発表、世界中で講演活動を行い最も人気のある著名人の一人

「夢を見ることができれば、それは実現できる。いつだって忘れないでいてほしい。何もかもすべては、一匹のネズミから始まったということを」
(原文:All our dreams can come true, if we have the courage to pursue them. I only hope that we don’t lose sight of one thing – that it was all started by a mouse.)
・ウォルト・ディズニー(アメリカの実業家 / 1901~1966)ミッキーマウスの生みの親&ディズニーランドの創設者

Good Luck to All of you!

*トップのアイキャッチ画像は、今回も副業カメラマンのkikuttiさんのご厚意で素晴らしい写真を掲載させていただき有難うございます。なお転用等をご希望の場合はひとことご連絡を差し上げてください。