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21世紀の「読み・書き・そろばん」はなんでしょうか?
私は「英語・読書・マネーリテラシー」だと思います。
プログラミングが入る、という説も良く耳にしますが、適性に大きく左右されるジャンルなので、マスターを目指すよりも、プログラミングされたものを使いこなす方に注力した方が実践的で効率的と考えます。
その中でも今日はマネーリテラシーについて取り上げたいと思います。英語及び読書については過去記事をご参照下さい。
マネーリテラシーってなに?
「マネーリテラシー」とは、「お金に関する知識とそれを活用・運用する力」です。
生きていくためにはお金が必要です。もちろん、理想や夢も幸せな人生には欠かせない要素ですが、お金も同じくらい大事です。
私自身、お金儲けはあまり得意ではないので偉そうなことは言えませんし、これまでどちらかと言えば「お金の話をするのは品がない、卑(いや)しい」との風潮が強かったので、公の場で話題にすることを避ける人も多かったと思います。
しかし、みなさんにはぜひ、高校生なりのマネーリテラシーをいまから育てておいてほしい、と思うのです。それは、幸せな人生を実現するためには、それなりの資金を確保して活用し、一定の自己投資(読書や英語、マネーリテラシーの勉強等)する必要があるからです。
そして、みなさんはぜひ①お金を稼ぐこと、②お金を使うこと、の2つについて、必要な情報を適格に入手してほしいと思います。
『お金を稼ぐ』方法(働き方)が変わる未来
お金を稼ぐ方法(働き方や職種・ジャンル)は、この10年で大きく変化しました。従来の考え方や「常識」とされてきたことが全く通用しない時代に突入しています。みなさんがこれまで関わってきたバイトも、10年後に存在している保証はゼロですし、いまや小学生の憧れの職業のひとつであるYoutuberも、プラットフォームを提供しているGoogle次第ではどうなるか分かりません。
この先、どんな未来が待っているか、分からないこともたくさんありますが、それでも、どのような社会になったとしても、確実に分かっているのは、「それぞれの個性を生かして1%の希少性を発揮できる人材になれば良い」ということです。そして、そうなれる可能性は、すべてみなさん次第なのです。
詳しくはぜひ、藤原 和博さんが高校生に向けて語った以下の本をお読み下さい。
『10年後、君に仕事はあるのか?―――未来を生きるための「雇われる力」』
(書籍代が捻出できない場合は学校・市町村の図書館で探してみてください。また蔵書になくても相互貸借で手配してもらえることもあります)
本書の中で、藤原氏は
1.親世代と異なる時代を生きるために
2.広がるネット世界で生きるために
3.長い人生スパン(人生100年時代)を生きるために
の指針を、高校生向けに語るように書いています。この3つはこの先10年の重要なキーワードになるでしょう。
希少性=レアな人材
働くことへの対価としてのお金=稼ぎ、になりますが、その対価はその人材の持つ力の希少性に比例します。(一部の例外を除く)
前述の藤原氏の本にも示されていますが、医師や弁護士の時給(約3万円)がコンビニバイト(約千円)の30倍近いのは、その資格取得のために多大な勉強と時間を注ぎ込んだことで希少性の高い人材になったからであり、その対価として高い時給が実現したものです。
また、外資系コンサルタントの時給は日本の医師や弁護士を遥かに超えて、時給は約8万円です。これは日本国内で英語を駆使してコンサルタントの業務を遂行できる人材の希少性と、さらには、日本経済がデフレを続ける中で世界経済は順調に伸びて外資系企業は年々賃金を上げていることも関係します。例えば世界的なITを牽引している米国シリコンバレーでは年収1200万円以下は貧困層になってしまうそうです。物価が相当高いのも要因の一つだそうですが、日本では考えられない水準です。
その一方で、簡単な作業や熟練の技を必要としない仕事は希少性が低いため、高い時給(稼ぎ)は期待できません。コンビニやファーストフード店でのバイトなどが相当します。
自分の「1%の希少性」を探ろう
では、どうやって自分の希少性を高めたら良いのでしょうか?
「理屈は分かるけど勉強も部活もイマイチで、希少性なんて、、、」という嘆きが聞こえて来そうですが、それはまだ自分の可能性を探る範囲が狭いからではないでしょうか。
たとえ学校の成績や部活での成果が華々しくなかったとしても、それはまだみなさんの能力のほんの一部を数値化し表出させたに過ぎません。違うジャンル、違う集団、違う成長プロセスに身を置けば、みなさんが1%の人材になれる可能性は大いにあるのです。
ヒントは、自分が好きな分野、ジャンルに転がっています。まずは、そこに焦点を当ててみてください。漫画でもゲームでも構いません。
みなさんの未来を心配する保護者のみなさんは、「ゲームばかりして将来はどうするの?」と小言を繰り返すかもしれません。もちろん、怠惰な日々の言い訳に使うのはNGですが、しかし今の時代はゲームも極めれば高い希少性を発揮する場合もあります。世界的な大会で優勝して億単位を稼ぐ人も出ています。寝食を忘れるほど没頭できるもの、好きなものはありますか?それを探ってみてください。
お金の上手な使い方も身につけよう
これからはお金を稼ぐだけでなく、どうやってお金を上手に使うかを学ぶことも、とても大事です。
なぜなら、人生100年時代は学校を卒業してからも自分の希少性を磨くための勉強や機会に自分でお金を注ぎ込んでいく、つまり自己投資をしていくことが重要になるからです。
また、ネット世界での変化はとても激しく、常に最新の情報に触れて学び続ける必要がありますので、適切なタイミングで自己投資していく資金力を確保する必要があります。
自己投資の一番のオススメは、やはり読書です。ネットに無料の記事も溢れていますが、本を作る過程には様々なプロが関わっており、内容の精査や価値についてじっくりと吟味されたものは、質が違います。
本の値段が高くて手が出ない、と言う声も良く聞きますが、KindleUnlmitedであれば月額980円で一度に10冊まで手元に置けますので、ぜひキャンペーン期間なども上手く利用してトライしてみてください。
もう一つのオススメはやはり英語ですが、授業や部活で忙しい毎日の中で継続するには、一人では限界もあります。ですから、まずは授業を活用し先生を使い倒すのが先決ですが、コロナ禍でますます進化しているオンライン英会話なども、自己投資としてとてもおすすめです。こちらも無料キャンペーンなどもあるので、上手く活用して、予算や好みにあうサービスを探してみましょう。
お金は「貯める」から「運用する」へ
いまは、お金を銀行に置いておくだけでは増えない時代です。貯蓄しても利率が低すぎるのです。例えば、郵貯の定期預金に1年間預けても増えたのは0.01%以下、例えば100万円を1年間預けても利子は100円程度でした。(そこからさらに税金が引かれる)
そのため、いまは貯めるよりも運用が大事であり、投資などを活用して利殖する方が良いとする考え方も広まってきました。
とは言え、「投資は怖い・損をする」との考え方もまだ蔓延しており、高校生のみなさんだけでなく親世代のみなさんにとってもこれは大きな挑戦です。
私にとっても、自己資金の運用は大きな挑戦の一つでした。ですが、2年前にNISAという非課税の投資信託の制度利用に思い切って着手したところ、現在では預け金は30%以上増えています。具体的に示すと、例えば100万円預けたとしたらそれがいまや130万円以上になっているということです。
前述の郵貯の1年間の定期預金と比べれば、運用成果は一目瞭然です。
高校生は未成年なので、ジュニアNISAという制度が利用できます。ぜひご家族とも相談してみてください。
ネットには情報が氾濫していますので、まずは取り掛かりとして以下を参考にオススメします。
『お金は銀行に預けるな~金融リテラシーの基本と実践~ 』Kindle版 勝間 和代著
また、この高校生comのサイト内にも、お金の専門家であるファイナンシャルプランナーのみなさんが記事を掲載されているので、ぜひ参考になさってください。
「CPAみゆきのマネー教室」
https://koko-sei.com/author/miyuki/
さいごに 「幸福度=収入」とは限らない
稼ぐこと、自己資金を確保することの重要性についてここまでお話してきましたが、しかし、人生の幸福度は必ずしもすべてそのまま収入に直結しないこともお伝えしておきたいと思います。その相関性はある一定レベルを超えると止まります。
お金はあればあるほど良い、というものでもなく、収入と人生の幸せ度に関する研究では、「年収7万5,000米ドル(約800万円)で幸福度はほぼ頭打ちになる」(ノーベル経済学賞受賞の心理学者ダニエル・カーネマン教授らによる米国での研究)、日本でも内閣府が2019年に年収と生活満足度に関する調査結果として、世帯年収が700万円以上になると変化が微量に留まると発表しています。
大事なのは、自身の希少性を磨き、必要な分を稼いだら、必要な部分に自己投資をする、という繰り返しで、人生の満足度や幸せ度を高めていくループを自分の中で確立することです。大人でもまだこれを実現できている人は少ないので、みなさんにはぜひこの点でも希少性を発揮して、みなの希望の光になってもらえたらと願っています。