人はみな生まれ持った才能があると言われますが、その多くは皆さんの中でまだ眠ったままで、起こしてもらうのを待っています。天才と呼ばれるエジソンやアインシュタインなども、開花させることができたのはその才能の15%程度との論もあり、ひとつでも多くを掘り起こして育てることができたら、私達の人生は大きく変わると考えられています。

自分の才能を見つける方法

みなさんはご自身の中にあるのはどんな才能なのか、探ってみたことはありますか?今日お伝えしたいのは、そうした「才能を見つける方法」の一つをご紹介するこの本です。

『ジーニアスファインダー 自分だけの才能の見つけ方』 Kindle版 山口 揚平  (著)

この本の中では、実際に大学生3000人に対して実施した「自分の才能を見つける」プログラムの内容と、そこで見出した天才性を未来への仕事や生き方にどう生かしていくかへの指針が綴られています。

本文中のワークシートで作業していくと、読者の皆さんの天才性が少しずつ明らかになり、タイプ別の解説やアドバイスなどに照らすと、方向性が見えてくるのではないかと思います。

ちなみに、私自身は「ひとを想う」方向性に天才性がある、と出ました。教育の世界で仕事をしてきたのは、どうやら正解だったようです。

「邪魔な色眼鏡」を見つけて外そう

実は、本書をオススメしたい大きな理由は、天才性の判別だけでなく、第1章の「自分の棚卸し」部分にあります。
(ご参考・第1章 「天才性」を閉じ込めているもの ―― 「自分の棚卸」で「とげ」を抜く 「棚卸しシート」でとげを抜く)

私達が自分の能力や才能を見極める際に、最も邪魔をするのが自身への「思い込み」の色眼鏡です。過去の様々な経験から、私達は「どうせ自分はこんなもの」という勝手な思い込みをしていて、それが適切な判定や判断を狂わせ、邪魔してしまうのです。

例えば、本当は数学や理科の才能がある人なのに、小学校の時にたまたま算数のテストの結果が悪かった時に、これまたたまたま相性の悪い教師や、たまたま機嫌が悪かった保護者にマイナスの対応をされて、それがトラウマになって、自分には理数系の才能なんてないんだと思い込んでいた、という事例は意外に多いのです。

皆さんも思い当たることはありませんか?
たまたま英語の教科書を読ませられた時に、たまたま上手く発音できない単語が文中に潜んでいたのをクラスの皆に笑われて、それ以来英語が大嫌いになってしまったとか、音楽のテストで歌う時にちょっと音程が狂っただけで友達にバカにされてそれ以来カラオケも大嫌いになってしまった、などなど。

そうした過去の残念な経験が色眼鏡となって、本来持っているはずの才能を本人にも周りにも、見えなくさせていることが多々あるのです。
もしそんな色眼鏡を見つけたら、一度外してみて下さい。そして、外すことで見えてきたご自分のことをよく観察してみてください。これまでとは違う自分(もちろんそれも自分自身です)に出会えるのではないでしょうか。

人生のトゲを抜いて才能を見つけよう

さらに、過去のトラウマとも言えるマイナス体験が、「トゲ」のように皆さんの心に刺さっていると、せっかく見つけた天才性も、伸ばして生かしていくことが難しくなります。

第1章の「棚卸しシート」では、皆さん自身のペースで過去と向き合い、トゲを見つけ、一つずつ抜いていくワークになっています。

私も、このワークの中で、自身の運動嫌いの原因となっていた過去の出来事を掘り当て、当時のトラウマと対峙しました。
実際にワークするまでは、そんなトゲのことはすっかり忘れていたのですが、ワークの中で当時の場面をありありと思い浮かべ、その記憶を塗り替える方法を試してみました。まだうっすらとトゲは残りますが、おそらくこのまま徐々に消えていくでしょう。

そして、私の中に密かに眠っていた「自分にはこういうことは向いていない」と思い込んでいた部分が思い込みによるものであったこと、それを外すことで新たな可能性に挑戦できることに気付かされました。

仲間と学び合いながら、人生の舵を取ろう

自分の中にある才能を見つけて伸ばしていくことについては、以前にも、『幸せ人生の学び方・育て方(高校生&保護者向け)1-③ MIチェックで自分の能力を掴もう』

でMIチェックで皆さんそれぞれの能力を把握する意義と方法をお伝えしていますので、よかったらそちらも参考になさって下さい。

そして最後にぜひオススメしたいのは、自分の才能を見つけて伸ばすことを、ぜひ周りの仲間と一緒にやってみることです。自分のことはわかっているつもりになっていても、案外、周り友人の方が皆さんの長所や才能に気づいていたことって、ありませんか? 自分の色眼鏡は一つだけではないので、つい見落としたり、見過ごしたりしている部分も多々あります。それもまたお互い様なので、仲間どうして互いの才能に気づいた点をシェアし、フィードバックしながらワークしていくことで、多方面からの光を皆さん「眠っている才能」に当てることができます。

また、仲間の存在や励ましは、皆さん一人一人の実行力や継続の力も増強します。高校時代の仲間が生涯に亘って支え合う間柄になることもあります。ぜひ仲間と学び合い、共に切磋琢磨できる環境に身をおいてください。それが皆さんの中に眠る才能を引き出すだけでなく、さらに未来へと伸ばしていってくれることになると思います。

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この記事を書いた人

永堀 宏美
永堀 宏美

フリーランスの人財育成研修講師(コミュニケーション&プレゼンテーション)歴26年目。
早稲田大学大学院教育学研究科(旧・教職大学院)非常勤講師 2009 年度~2020年度(2020年度のみオンライン実施)
元茨城県牛久市教育委員長、講演・著述業など。
慶應義塾大学法学部卒業、某研究所勤務を経て筑波大学大学院地域研究科修士課程及び米国コーネル大学大学院都市地域政策学科修士課程修了。茨城県で2女を育てながら、長年に亘り教育・医療・行政分野等における人材育成の講演・研修を展開。最新刊『保護者トラブルを生まない学校経営を保護者の目線で考えました』教育開発研究所、2018 年刊
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