登場人物

CPAみゆき

公認会計士(CPA)、大手監査法人勤務後、独立し個人会計事務所を経営。高校生と中学生男子の二児の母

としお

県立高校一年生。ゲームと動画観賞が趣味。将来は漠然とゲーム関係の仕事に進みたいと考えている。

Lesson2はこちら

利益って?

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CPAみゆき
としおくんこんにちは。
最近はどんな感じかな。
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としお
はい、夏休みが終わってまた日常に戻りました。
朝起きるのがつらいです。
夏休み中はお昼前まで寝てる時もあったから。
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CPAみゆき
お昼前!
遅くまでゲームしてたんじゃない?
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としお
へへへ
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CPAみゆき
前回は株式会社の仕組みについて勉強しました。
https://koko-sei.com/money-lesson2/
では前回の復習。
株式会社の特徴をあげてみて。
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としお
はい、株式会社はお金を出す人と経営をする人が別だということ、
儲けたお金を、株主に配当という形で支払う、
ということだったと思います。
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CPAみゆき
ピンポン。大正解。
今日は、その儲けの仕組みについてお話ししようと思います。
儲け、というのは、正式には利益と言います。
利益って、どうやって計算するかわかる?
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としお
商売をしてもらったお金から、かかったお金、経費?を差し引いて計算すると思います。
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CPAみゆき
そう、正解。そのとおり。
商売をしてもらったお金というのは、 正式には売上と言います。
商売にかかったお金は、経費とも言うけど正式には費用と言います。
図にするとこんな形ね。

費用にはどんなものがある?

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CPAみゆき
じゃあ、費用にはどんなものがあると思う?
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としお
うーん、交通費とか光熱費、あと商品を買った時の商品代とか。
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CPAみゆき
そうそう。そのとおり。
商品代は一般に、仕入れと呼びます。
他にはないかな?
すごく大事なものがあるじゃない。
もしとしおくんが就職したら会社からもらうのは?
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としお
あ、給料。
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CPAみゆき
そう。 商売の三原則はヒト、モノ、カネ、と言って、ヒトがいないと商売できないからね。
そして、ヒトを雇うには給料が必要。
給料は一般に、人件費と言ったりもします。
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CPAみゆき
他にはないかな?
身近な例で考えてみるほうがわかりやすいかな?
じゃあ駅前にあるスーパーを思い浮かべてみて。
スーパーには商品がたくさん置いてあって、そこで働いてる人がいっぱいいるよね。
その場所にもお金がかかるよね。
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としお
あー、えっと、家賃ですね。
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CPAみゆき
そう。大きくは2通りあって、そのスーパーを借りる場合と、会社が自分でスーパーの建物を建てる場合があるよね。
借りた場合は、としおくんが言ってくれたように家賃がかかります。
自分で建てた場合は、 ちょっと特殊で、減価償却という手続きをするの。
普通建物などは、40年とかの長期で使うことになるので、スーパーを建てるのにかかったお金を40で割った金額が1年間の費用、ということになります。
図にするとこんな感じです。
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CPAみゆき
何年で割るかは、木造とか鉄骨といった建物の構造で決まっているの。
ちょっと難しいけど、利益を計算するときに大事な手続きなので覚えておいてね。
じゃあまたスーパーに戻って。
ほかに思いつくことないかな?
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としお
うーん。
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CPAみゆき
スーパーで、広告の品、とか書いてあることない?
新聞を取っていれば、スーパーのチラシが入ってると思うんだけど。
スーパーとは限らないけど、ほら、YouTube やテレビで出てくるのは何?
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としお
あ、コマーシャル。
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CPAみゆき
そうそう、コマーシャル。
コマーシャルというのは会社の宣伝のためのものだよね。
宣伝のための費用を広告宣伝費というの。
会社はどんなものを売っていたとしても、それを人に知らせないと買ってもらうことができないよね。
会社にとって広告宣伝費は重要な費用なの。
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CPAみゆき
あとは業種によっていろんな費用があるけど、スーパーでいうと、清掃費や警備費など、隠れたところで費用がかかってます。
もし、スーパーの建物を建てるのに銀行からお金を借りて建てたとしたら、銀行に利息を払う必要があって、利息も費用になります。

まとめるとこんな感じね。

利益はどうやったら増える?

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CPAみゆき
ところで、会社が利益を増やすにはどうすればいいと思う?
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としお
えーっと、費用を節約する。
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CPAみゆき
そうね。費用を節約すると、利益は増えるよね。
ほかには?
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としお
えーっと、売上を増やす?
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CPAみゆき
そうそう、そのとおり。
利益を増やすには、基本的に売上を増やすか、費用を減らすその2つ。
そのほか、節税テクニックで利益を増やす、株などを買って儲ける、というのもあるけど、それはちょっとおいておいて。

では、売上を増やすにはどうすればいいと思う?
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としお
うーん、値段を高くする?
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CPAみゆき
そうそう。
ゲームソフトの例で考えると、1本2000円で売っていたゲームソフトを3000円にすると売上は増えるよね。

売上を増やすには、もう一つの大事なことがあるんだけど。
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としお
えー、なんだろう。
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CPAみゆき
ゲームソフト1本なら3000円だけど、2本買ったらもれなくもう1本プレゼントって言われたらどうする?
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としお
わ、買いたい! 
もちろん、お金がそれだけあったらだけど。
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CPAみゆき
そうね。
最初の売上はゲームソフトが1本売れて3000円だったけど、おまけをつけたら6000円に売上が増えたよね。
ということは?
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としお
売る数を増やす、ということかなあ。
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CPAみゆき
そうなの。
売上というのは、商品の価格、1個当たりの価格を単価というんだけど、単価×数量から構成されてるの。
だから、単価を上げるか、数量を増やすと、売上は増えていくの。
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CPAみゆき
じゃあ、費用はどうすれば減らすことができるかな。
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としお
電気を消すとか。水道を出しっぱなしにしないとか。
あ、出張に行くのをやめるとか!
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CPAみゆき
そうね。経費の節約は大事よね。
最近だと電気自由化で、電気代はずいぶん抑えられるようになったわ。
あとは、スーパーならパートさんをうまく回して人件費を抑えるとか。
事務所を持っている会社なら、賃料の安いところに引っ越すというのもあるわね。
最近は、新型コロナの影響で在宅者が増えて、もっと狭いところに引っ越す会社も多いらしいわ。
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CPAみゆき
ただ、費用は減らせばいいってもんじゃなくて、広告宣伝費を削れば売上が下がるかもしれないし、給料を下げると人がどんどん辞めていったりするかもしれないよね。
バランスがとっても難しいの。
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としお
確かに、もし僕が就職したら、会社の利益が上がった方がいいけど、自分の給料が減らされたら嫌だなあ。
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CPAみゆき
そうよね。
利益を出すために給料を低く抑えたり、残業代を出さなかったりというブラック企業もあるから、注意が必要ね。

一方、利益が出ると、従業員にも還元する仕組みがあるの。
それがボーナス。

会社が利益を出すと、従業員はボーナスがもらえて、株主は配当がもらえて、とみんながハッピーになるよね。
会社が利益を出すというのは、会社がずっと存続していく上でとても大事なことなの。
会社選びの時は、ぜひ、利益のこともチェックしてね。
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としお
利益をしっかり出しつつも、給料をちゃんと払ってくれる会社ですね。でも、そんなのどうやったらわかるんだろう。
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CPAみゆき
就職活動の時は、OBの先輩に話を聞くと、会社の悪いところも含めていろいろ教えてもらえることが多いわ。
あと、最近はインターンシップと言って、学生時代に会社を訪問したり、少しの期間働いたり、という制度もあるの。
実際に働いてみると、その会社の雰囲気などから、従業員を大事にしてくれる会社かどうかある程度わかると思うわ。
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としお
なるほど、わかりました。
会社の利益、就職活動の時はしっかりチェックしたいと思います。

利益から払わないといけないもの

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CPAみゆき
会社の利益の仕組みはだいたいわかったかな。
では、前回の復習。
利益から株主に支払うものは、何と言ったでしょう。
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としお
えっと、配当?
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CPAみゆき
正解!よく覚えてたね。
実は、利益から支払うものに、もう一つ支払わないといけない大事なものがあるの。
何だと思う?
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としお
えーっと、税金?
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CPAみゆき
そのとおり。
会社が儲けた利益の中から、国や自治体に税金を払わないといけないの。
ちょっとややこしいけど、利益がでなくても払わないといけない税金もあって、例えば消費税などがそうね。
他には契約書を作った時に必要な印紙税とか、お酒の会社なら酒税とか、いろいろ税金がかかるの。
税金については、次回お話しますね。

会社の利益の仕組みについては、わかりましたか。
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としお
はい、よくわかりました。

まとめ

  • 会社の儲け(利益)は、売上高から費用を差し引いて計算する。
  • 費用には、商品代金(仕入れ)、給料(人件費)、賃料や減価償却費、広告宣伝費、光熱水費などがある。
  • 利益を増やすには、売上を増やすか費用を減らす。そのほかに、節税、投資(株などを買って配当や売却益を得る)といった手法も。
  • 売上は単価×数量から構成されている。売上を増やすには価格を上げるか、数量を増やす。
  • 費用を減らすには、経費の節約などいろいろ手法はあるが、売上が下がることがあるなど、一律に減らすのは難しい。
  • 利益から税金を差し引いて、残った利益を株主に配当する。
  • 会社選びの時は、利益もチェックポイント。ただし、利益を上げるために安い給料で働かせるようなブラック企業もあるので、注意が必要。

保護者の方へ

会社の利益の仕組み、いかがでしたでしょうか。会社にとって利益の獲得は必須ですが、経営者の考え方ひとつで、給料や働く環境が大きく変わってきます。

今どのような会社がもうかっているか、就職するとすれば、どんな会社がよさそうか、など、ぜひご家庭でお話してみてください。

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