みなさんこんにちは!
子どもたちの育ちもお母さんの子育ても応援したい、児童精神科医のなおちゅんです。
どうぞよろしくお願いします。

アンケートへのご協力 ありがとうございました。

前回の記事では、中高生がPMSや生理痛など月経にまつわるしんどさを抱えているとき、産婦人科へご相談されていますか? とご質問させていただきました。

Twitterでもアンケートを取らせていただいたところ、「連れて行ったことがある」と答えてくださった方がいちばん多いという結果になりました。

お母さんご自身がお子さんの頃に親御さんと産婦人科を受診したエピソードを教えてくださった方。

お子さんがの産婦人科受診を考えていらっしゃるので必要な時いつでも受診できるよう準備されているお母さん。

月経周期に関連してお子さんに腹痛や頭痛がみられるのを気にかけていらっしゃるお母さん。

いろいろなお声を聞かせてくださり、ありがとうございました。

月経関連症状をなんとかできないか?

月経関連症状を和らげる手段があるなら…

月経自体は病気でも異常でもないけれど(むしろ月経がないことのほうが問題…)、月経に関連して体調不良が現れたり、不調のために思うように楽しめなかったり力を出し切れなかったりする女の子たちに会うと、このまま見過ごすわけにはいかないな、と思うのです。

PMSはピルで軽減できると言っておられる産婦人科の先生もたくさんお見掛けします。

思い返せば、私がピルの存在を知ったのは中学生の保健体育の授業でした。
PMSへの対処法としてではなく、「部活の大会と生理が重なりそうなときは、産婦人科でお薬をもらえば月経の時期をずらすことができる」という話。
当時、運動部でもなければPMSや月経痛がそれほどひどかったわけでもない私は「ふうん」と聞き流すだけで終わっていました。

結局大学生になってから中用量ピルを使ったり、出産後に低用量ピルを使ったりしてきました。とても便利で快適に過ごせたと感じています。

ピルを100%手放しではおすすめしたくない

10年以上何の疑問もなくピルを使ってきた私ですが、あとになって自分はピルのことを全然わかっていなかったことに気づいて愕然として、今はもうピルは使わない生活を送っています。

ピルが恐ろしいお薬だと言いたいわけではありませんが、使うなら正しい知識をもっておいたほうがいい! と強く思います。

「月経が規則的に起こるようになるし、月経自体も軽くなります」
「月経を毎月起こす必要はないので、3か月に1回程度にすることもできます」

と産婦人科で説明を受けたし、たしかに経血も少ないし月経が起こるタイミングもわかりやすくてとても過ごしやすかったのですが、

ピル服用中の月経は、じつは真の月経じゃない!!

と気づいた時の衝撃と言ったら…。

医師のくせに情けない話です。
でも、考えてみたら医学部の講義でピルについて教わったことなんてなかったんですよね。
産婦人科の先生はわかりやすさ優先でシンプルに説明してくださっているのだと理解できますが(私が医師だとも気づいておられなかったでしょうし)、この説明を言葉どおり受け取ると、ピルが本当は何をしているのかに気づくことなく処方してもらい服用することになるのではないか、と心配になってきています。

ピルが本当は何をしているかと端的に言えば、「正常な月経を止めている」のですよね。

特に10代の女の子たちにピルを手放しでおすすめしたくないのはこのあたりの理由からです。

そうはいっても、症状は和らげたい!

ピルは手放しではおすすめしないと心に決めたわけですが、だからといってPMSなど月経関連症状がつらいまま女の子たちを放置してしまうことはやっぱりしたくなくて。

産婦人科でもらった漢方薬で症状が楽になったという報告をお聞きすることもあるので産婦人科でピル以外の治療を受けるという選択肢もアリだと思いますし、器質的な原因の心配があるなら産婦人科で確認していただくのも大事なことだと思います。

そして、産婦人科を受診しなくても症状を和らげる方法をまずおうちで試していただくのはどうだろうか? とも思うわけです。

得体の知れないものには対処のしようがないけれど、月経周期のことを正しく知り、PMSや月経痛が起こるメカニズムがわかれば、どんな工夫ができるか見えてくるんじゃないかと。

なにせ私自身が無知なままピルを飲み続けてしまった人間なので、ここで大いに反省して、学んだことを世のなかの女の子たちに還元できたらと考えています。

また月経についての情報を発信していきますね。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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