こんにちは、本・人出会いクリエイターのまるこです。今月も、高校生のみなさんに読んで欲しい、そんな1冊をお届けいたします。

読むだけで、ウオオオオ!と生きる気力が湧いてくる本

今月は、岡本太郎さんの『自分の中に毒を持て』。岡本太郎さんといえば、大阪万博の「太陽の塔」が代表作の芸術家。感情が爆発するような筆遣いの作品を見たことがあるかもしれません。

そんな岡本太郎さんのエッセイ。『自分の中に毒を持て』の他に、『自分の運命に盾をつけ』『自分の中に孤独を抱け』三部作が、赤・黄・青のビビッドなカバーに包まれて平置きされているのが目立ちます。

私がこの本に出会ったのは、「な〜んか。私、パッとしないな〜」と思っていたタイミング。書店で真っ赤な表紙に呼ばれ、パラパラとめくってみたところ、字も大きく、語り口調で書かれていて読みやすそうだったことから即購入しました。

この本は、読後すぐにメキメキと生きる気力が湧いてくる、特効薬みたいな本です。彼の作風と同じく、文章にもエネルギーが満ち満ちており、目の前で語り掛けられている、そんな気分になります。

きれいになんて生きてはいけない

この本の中でもっとも刺さったひとことは、「きれいになんて生きてはいけない」という見出しです。私は現在35歳。これまでの半分以上の期間を【人の敷いたレールに沿って生きてきた】ように思います。

常に優等生であろうとした小学校・中学校・高校生のころ。「大学には行くもんだ」と自然な流れで大学生になり、母親がなりたかった職業に就きました。家族や友人、先生たちが期待していること=私の得意なこと、やるべきことなんだ、と思っていた節が、あったのです。

それをブレイクしたのは、もう30歳を超えてから、かもしれません。結婚後、ひとりで2年間タイに駐在し、「あ、私、自分の足で立って生きていける」というのを実感してから、何かがパーンと、弾けたんですね。「これまで、一体どれほど他人の期待に応えてきただろう。自分の好きな生き方をしていいんじゃん、だって私の人生だもん」って思った瞬間が訪れたんです。

自分の人生を生きているか

岡本太郎さんが本書で読者に訴えかけたかったのは、まさにここなのではないかと思います。『世間の「常識」に沿って模範生徒のように生きようとしていないか?』『そこには、「本当の自分」はあるか?』『自分の人生を生きているか?』…爆発するような作品や情熱的な文章から、そんなメッセージを感じ取りました。

みなさんも、自分のやりたいことってなんだろう、将来どんなことをしよう、と未来に思いを巡らせることがあるかもしれません。そんなときにはぜひ、岡本太郎さんからのメッセージを思い出してみてください。