こんにちは、本・人出会いクリエイターのまるこです。
今月も、高校生のみなさんに読んで欲しい、そんな1冊をお届けいたします。

これから人生を切り開いていこうとする皆さんに、読んでほしい1冊。

今月ご紹介するのは、荒木博行さんの『藁を手に旅に出よう』https://amzn.to/33MbKy7 )です。

この本のターゲット層は、20~30代の働いている人たち。でも、私は、この本は高校生のみなさんにこそ読んでほしい1冊だなと思います。まさにこれから、人生を切り開いていこうとしているみなさん。どんな場所で、どんな人たちと、どんなことをして成長していくのか。それを考えるうえで、この1冊は非常に沢山の示唆を与えてくれると思います。

ちなみに、荒木さんといえば、『世界倒産図鑑』( https://amzn.to/2SXkpb7 )や『見るだけでわかる!ビジネス書図鑑』( https://amzn.to/30Ux1nu )などビジネス書のイメージが強いのですが、今回はなんと「小説」!それも、「ビジネス書×小説」という全く新しいジャンルの作品に挑戦されています。

主人公サカモトくんと一緒に、キャリアを探す旅に出よう

この小説の主人公は、サカモトくん。前半は新入社員研修、後半は社会人3年目研修を舞台にストーリーは進みます。研修で様々な学びを与えてくれるのは、人事部長の石川さん。

石川さんによる「12のレッスン」を経て、サカモトくんは、自分自身の仕事観をどんどん深めていきます。

(余談ですが、本文中に、荒木さんご自身によるサカモトくんや石川さんのイラストが挿入されるのですが、石川さんはなぜかいつも横顔や後ろ姿だけで、お顔は読み手の想像に任されている。こういう風に、読み手に想像させるような余白を敢えて作るのも、荒木さんらしいな、と。皆さんは、どんな石川さんを思い浮かべますか?)

カメは、なぜウサギからの挑戦を受け入れたのか?~自分が勝負するフィールドを選ぶ~

この小説、一番のポイントは、誰でも知っている寓話を、全く違った視点から眺めてみることで、新たな気付きを得られること

例えば『ウサギとカメ』。カメは、ウサギとの駆けっこの勝負を引き受けます。この寓話、「真面目にやり抜くカメのような人が、最後に笑うんだ」「不真面目なウサギのような人は、最終的には真面目な人には勝てないんだ」という解釈が一般的だと思います。

だけど、石川さん(そして、荒木さんご自身)はこれを全く別の角度からバッサリと切る。

例えば、こんな感じに。

●カメとウサギの勝負、どう考えてもウサギの方が速い
→「ウサギが気を抜いて寝る」というハプニングがなければ完全に「負け戦」
→なぜ、カメは、ほぼ負け戦確定の勝負を受けたのか?
自分の特性を理解できずに、勝てないフィールドで勝負していないか?

今まで、『ウサギとカメ』は諦めないカメの美談だと思っていたのに、まさかこんな角度で見ることができるとは…。
そして、ここから学べるのは、「自分が勝負するフィールドを選ぶことの大切さ」なのかな、と私は受け取りました。

自分のフィールドで勝負するために

人には個性があります。せっかく持って生まれたその個性。ぞんぶんに活かして学び、キャリア開発をした方が、どう考えたって人生は楽しい。苦しい、得意ではないところであっぷあっぷしながら日々を過ごすのは苦しいものです。カメは、きっと、もっと違うところで勝負をすべきだったんじゃないかな、と思いました。

となると、「自分のフィールドって、どうやって見つけるの?」という疑問がわいてきますよね。

ここからは、本書とは離れて完全に私の見解になりますが、自分のフィールドを見つけるには、「自己理解」が第一だと思います。

  • 自分が子供のころ好きだったことは?
  • 逆に、かなり気合を入れないと出来ないことは何?
  • 自分が息を吸って吐くように苦も無くできることは何?

…など、自分についての質問を投げかけていくことで、だんだんと、今の自分を構成している要素が見えてきます。もちろん、この要素は、年齢を重ねるごとにどんどん変わっていきます。

その時々に合ったフィールドを自ら選び取って、得意な場所に身を置くようにしたら、きっと、毎日がとても楽しく、まるで上りのエスカレーターに乗っているかのように、スイスイと成長曲線を描くことができるでしょう。

いかがでしたか?『藁を手に旅に出よう』は、高校生のみなさんのように、まだまだ「働く」ことが先である方にも心からお勧めしたい1冊です。「自分を理解したい」とか「どのように働き、成長していこうかな」など、読みながら数年後のみなさんに思いを巡らせることができます。小説タッチで、楽しく読み進めることができますので、読書の秋のおともに、是非いかがでしょうか?